歴史文化
飢饉がトマトをイタリア料理の主役に押し上げた
18世紀後半、イタリアを襲った深刻な飢饉が、トマトの運命を変えました。食べ物がない中で、人々は恐怖を乗り越えてトマトを口にし始めたのです。
📅 2025年11月26日

18世紀後半、イタリアは深刻な飢饉に見舞われました。小麦の収穫が激減し、人々は飢えに苦しんでいました。そんな絶望的な状況の中で、庭先に実る「毒」だと信じられていたトマトに、人々は目を向けざるを得なくなったのです。
生きるための決断
「このまま餓死するくらいなら」——そう覚悟を決めた人々が、恐る恐るトマトを口にし始めました。すると驚くことに、誰も中毒を起こさなかったのです。それどころか、トマトは美味しく、栄養豊富であることがわかりました。
イタリア料理の誕生
この発見は瞬く間に広がり、トマトはイタリア料理に欠かせない食材へと変貌を遂げます。トマトソースが誕生し、パスタと組み合わされ、ピザのトッピングとなり——現代のイタリア料理の基礎が、この時期に形作られたのです。
皮肉なことに、飢饉という悲劇が、世界中で愛されるイタリア料理を生み出すきっかけとなりました。もし飢饉がなければ、トマトは今でも「毒の実」として恐れられていたかもしれませんね。
📚 出典: トマトの大百科 (まるごと探究!世界の作物)
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